教室の活動

英検の準備のガイドライン(英語教室に通っている生徒の場合)

 

※今まで投稿を水曜日にしていましたが、諸事情ありましてこれから土曜日に更新の予定です。

大学入試共通試験の改定は、実施まであと一年ちょっとしかないというのに今だにもめているみたいです。英語はどうなるんでしょうね・・・。民間試験採用も一旦は決まったようでしたが、いろいろ問題ありでこれからどう転ぶかわかりません。入試なんてでっかいクイズ大会みたいなもんなんだから、内容がいい悪いでもめるより、早く方針を確定してほしい。と受験を控えた高校生を持つ親としては思っています・・・。

それでもニュースなどで話題に上ることが多くなったからか、最近かなり多くの方から「英検を受けたいのだけど、どの級を受けたらいいか。」「英検のいい参考書はないか。」などのご質問を頂きます。なので今回は、こちらに英検を受ける時期の目安や、準備して受ける場合の勉強方法や参考書などをまとめます。参考書類はクリックするとAmazonの商品概要ページにとびますので、詳細や値段などはそちらでご確認ください。

申し訳ありませんが私自身は英検を受けたことがなく、娘が受けたいというまで全く英検がなんたるやを知りませんでした。当教室のカリキュラムも、英検の試験内容に沿ったものではありませんので、数年受験する子のお手伝いをしたり、過去問を分析した上での記事です。

 

まずは英検過去問を解く

受検級の目安(当教室の学年標準クラスで、宿題をきちんとやってきていてレッスンを理解している子が基準です。)

5級(中1学習内容レベル):小4~5
4級(中2までの学習内容レベル):小5~6
3級(中3までの学習内容レベル):小6~
準2、2級(高校中級・上級レベル):中学生~

英検は範囲の決まったテストですので、勉強する気概があるならこれより上も目指せます。

過去問はどの会社のも内容は同じです。英検参考書は旺文社のものが定評ですのでこちらを今回はご紹介します。3回入っているのと、6回入っているのがあります。(他の会社からは9回も入っているのがあります。)実力より上の級を準備して受けようとする場合は6回分入ったもの、サクッと準備して受ける場合は3回分入ったものを購入するといいでしょう。ただ、英検は数年ごとに形式が改定されています。特に3級は英作文が入ったり、並べ替えがなくなったりと、大きな改定が数年前にされていますので、過去問は最新のものから解くようにしてください。

60%~70%が合格点と言われています。過去問を時間通りに解いて、70%あったら受かる実力がありますのでそのまま受検しても大丈夫だと思います。不安ならあと数回、過去問を解いておくといいです。

60%いかなかった場合は、下記に3か月をめどに準備していくタイムラインを上げておきますので、受験する場合は参考にしてください。

過去問3回参考書(サンプル準2級)

過去問6回参考書(サンプル準2級)

英検受検準備で特に強化すべき分野とお勧めの参考書

強化すべきというのは、英語教室に通って頂いている生徒さんが、レッスンで補わない部分を強化するということです。全くの初学者が英検を受けるケースは下記に該当しません。

 

英検4級・5級

リーディング力

レッスンでは普段音読をよくするので、語彙や文型を音で覚えている子が多いです。そのため、声に出すとできるけど、目でさらっと読むとよくわからない問題、というのがたくさんあるのがこの時期。なので、筆記試験が悪くリスニングで乗り切る子が多いのですが、実は頭で文章を音読するだけで事は解決します。「心の中で音を出して読んでみて。」の一言を掛けてあげて下さい。

4・5級はテスト範囲が狭いので、同じようなタイプの問題がたくさんでます。特に5級は。なので、上記シリーズの過去問をやる⇒間違ったところを理解する、という方法でいいと思います。

きちんと準備したいなら、下記の軽くできる問題集がとっつきやすいと思います。

ひとつひとつわかりやすくシリーズ(サンプル4級)

英検3級

文法ちょっとと英作文

いわゆる文法問題は英検はほとんど出ません。ただ、長文を読むときに教室では見慣れない現在完了、関係代名詞、受け身はさらっと触れておくといいと思います。あんまり文法問題が出ないため、各社あまり良い英検用文法の参考書がありません。文法だけは中学校のゆるめの文法問題集、パターンドリルをお勧めします。

英文法パターンドリル中3

英作文は、3級では30語前後の短いものです。大体が自分の身近なことを聞かれ、それについて理由2つ付けて答える、という形式です。because, also などを使って2つ理由を説明できればOK。試験前に何個か解いてみてください。書いたものをもってきてもらえれば添削しますよ。

参考書は英作だけでなく、全体的に結構真剣に勉強できる下記をお勧めします。

英検3級集中ゼミ

ところで、3級から2次試験(面談)あり、これを怖がって受けるのを躊躇する子がいます。3級は緊張して頭が真っ白にならない限りはそんなに難しいものではなく、同じような質問が出ますので、準備をして臨めば大丈夫です。こんな感じですすむそうですので、ご参考までに。

英検3級面接試験の様子(動画)

 

英検準2、2級

単語・単語・単語・ちょっと文法

中学生になると無事テスト慣れしてきますので、準2、2級を目指す子はテスト対策の主たるものは単語暗記になります。特に英検は語彙力のテストと思っても差し支えないほど英単語が大切ですので、単語帳に本気だして取り組んでください。熟語も出ます。中学生で覚える単語はとても少ないので、準2~は単語不足を何とかしないと合格しづらいです。利用する単語帳は受ける英検用の級別単語帳がおすすめです。

パス単(サンプル準2)


上記の単語帳は、オーソドックス英語⇔日本語のものです。この単語帳では覚えられないという人には、ちょっと覚えやすくしてある下記がおススメです。でも英検に頻出する単語が出てくるわけではありませんので悪しからず。

ピー単(サンプル銅メダル=準2~2級)

準2級から文法事項が高校のものになります。高校生用の文法事項で、中学でやらない仮定法と分詞構文は長文でも出てくるので勉強しておくといいと思います。簡単に文法をさらっと学ぶのには、下記の参考書がおススメです。

高校・英文法基礎問題集

 

二次面接試験の練習はお付き合いしますので、一次に受かったら是非お知らせください。

 

勉強して英検受検に挑む場合の3か月学習計画例

自分の実力以上の級を勉強して受ける場合の学習計画例です。

①まず、シンプルなカレンダーを用意しましょう。

②英検受検予定の日をカレンダーに記載します。

③そこから3か月遡って、学習開始日を決めます。

④模試の日程を3か月のうちに3回は入れます。

勉強を始める前に模試を一回。テストと答え合わせで1時間~2時間かかるので、休日など時間が取れるときに受けるといいと思います。一か月くらい過ぎたくらいに2回目、直前に慣れるため3回目を受けます。時間はタイマーで測りましょう。

⑤3か月間で何をどこまでやるのか決めます。

例:購入した問題集一冊、単語帳何ページまでなど。何を使って勉強する場合でも、模試は必須です。

⑥決めた分量を一日分ずつに分散してカレンダーに記載します。

後は一日分をこなしていくだけ。終わったら線を引いたりして「やったぞ!」感を出しましょう。ちょこっとした工夫がモチベを保ちます。

 

勉強の方法はわかっても始めないと意味がありません。さあ、今日から始めましょう。

勉強していてわからないことなどがあったら、いつでも聞いてください。

中学生のクラスは、定期テスト講座と同じ仕様で家での課題+レッスン後10分の質疑応答の講座を受けて頂くことは可能です。原則3か月前までにお申し込み下さい。

 

英検における英単語帳の利用について

最後に、英検上級になるほどネックとなってくる、英単語暗記についてです。

まず、英単語帳で単語が暗記できないのは自分の記憶力のせいではない。ということを知っておいてください。

英単語は会話や文章の中で覚えるのが一番のやり方です。赤ちゃんが何度何度も「ママ」や「パパ」という言葉に触れて、初めて言えるようになるというのと同じで、一番自然で負荷の掛からない方法です。ただしこの「コンテキスト」から学ぶ方法には弱点があります。それは、ひたすら大量に英語を聞いたり読んだりしなければならない、ということです。残念ながら忙しい日本人にそんな時間はないのです。

そこで、仕方なく登場するのが、英単語を日本語訳に直し覚えていくタイプのいわゆる「英単語帳」です。つまり、英単語で暗記する、というのは決して「王道」ではなく、「妥協案」なのです。

英単語集は、一気に大量の英語を覚えることができる、というのが利点。でも自分の記憶力との真剣勝負なので、ふわっと何となくやっていても身に付かないという弱点があります。人間の記憶というのは想像以上に役立たずで、単語暗記に限って言っても、

  • 単語は一日にどんだけ頑張ってたくさん覚えても、次の日には半分も思い出せない。
  • 単語帳は最低5周回さないと定着しない。
  • 単語帳で覚えたものは、見たらわかる程度にしか定着しない。

これが現実なのです。でも、天才でない限りみんなに共通することなので、単語帳で覚えるのが苦手でもそれは当たり前、あなたの記憶力が悪いんじゃない!という事実は知っておくといいと思います。

それを踏まえて、何度も何度もしつこくやって何とか定着させるのが英単語帳の唯一の正しい利用方法なのです。

正々堂々とした英単語の覚え方については、以前の投稿をご覧ください。

英単語を覚えなければならない時がきたら… 人生で避けられない苦行の一つに数えたい。 英単語の暗記。 というくらい単語帳による英単語の暗記は苦痛です。私だけでしょう...

 

それでも地味にコツコツ覚えるのが無理!という人に

そんな地道な作業はいやだ!自分はでっかく生きるんだ!というどうしようもない人には、少しでも効率的にするために下記のような工夫をするとすこし自分がでっかく見えます。

スマホで単語アプリを使う。

上記でご紹介した英検用単語帳は付属のしおりについているQRコードから、アプリを取得することができます。そちらを使ってスマホ勉強もありです。あと、英単語アプリのみかんちゃんもお勧めです。みかんちゃんは暫く勉強してないと励ましてくれたりするので、ちょっとモチベが保てます。すぐ無視するようになっちゃいますが・・・。

みかんアプリ(Google Play)へ

みかんアプリ(App Store)へ

 

長文と共に覚える。

英語⇔日本語の単語帳ではなく、長文で英単語に触れて覚えていく形式です。時間はかかりますが、「コンテキスト」で覚えられるので少し苦痛は和らぐと思います。なんと上記でご紹介のみかんちゃんと連携しています。

速読英単語(サンプル必修編=準2~2級)

耳から覚える。(踊って体で覚えるも含む。)

CDを流し、チャンツのリズムに乗って覚えます。目から覚えるより耳からの方が覚えやすい人にお勧めです。耳で覚えたら目でも確認してね。踊って覚えれば記憶力もアップしますよ!(実際に運動中は記憶力が上がるという研究があります。)

キクタン英検(サンプル準2)

 

ちなみに、どんな方法を取ったとしても単語帳は絶対声に出して覚えるようにしてくださいね。せっかく覚えて意味がわかるようになっても音がわからないと、リスニングが伸びません。

 

なんにせよ、英検を受けようかなあと思い立ったらまずは英検公式サイト